「君と夢を語り合うのは死ぬ間際でいいや」

マチュアにはアマチュアなりのこだわりというか信念というか、そういうものがあった。たぶん、初めてのことだと思う。俺は信念を曲げた。もしくは、俺の信念が曲がった。
やってみたいと思ったのだ。
今年の初めに、飲み友だちと話していた。
「どうだろ?」
「やってみましょう」
我々が握手を交わしたかどうかは忘れてしまった。たぶん、交わしていない。

色々と調べているうちに、やって良いことと悪いことが分かってきた。そりゃそうか。「怒られるまではやろう」というところで話はまとまったけれど、今ではもう一切の迷いがないと言えば、それは嘘になる。相手に伝えてはいないけれど、迷いはある。

礼儀の話だ。俺の礼儀と他人の礼儀。

趣味で文章を書いているわけだが、若干、作り方が変わった。

これまでは、ぼんやりと筋道を考えて、六割くらい頭の中で出来上がったら見切り発車で書き始めていた。今回は違う。最初から最後まで考えないとたぶん駄目だ。
初の試みなので、手探りの状況が続いている。
思いついたことを片っ端からメモしているが、これは順番がバラバラだし、まとまっていない。俺は絵が描けないから、ラフテキストという言葉をとりあえずは当てはめた。俺以外の誰かが読んだところでよく分からないだろう。プロットですらない。分かるようにしなくてはならない。

ノートの他に単語帳を買った。

ラフテキストに書いたことを、単語帳に反映させて、順番を並び替える作戦だ。80枚。これで、最初から終わりまで。

早くはない、遅くはない。始めたら始まりさ。

タイトルとは違う歌だけれど、何度も引用している詞である。

始めよう。始まった。