2015-01-01から1年間の記事一覧

「きっと、また好きなる」

ギターの優越なんてものがあるわけない。ギターは、アウトプットのひとつ、ゲートのひとつにすぎない。ピアノの優越、トロンボーンの優越、優越が楽器の数だけ集まれば、そこにあるのは等しさだけだろう。無論、ボーカルも等しい。だけれど、思想があるかも…

「いらないと思える以上は何かしら興味があるものさ」

「××さんは、いつも振られた話を書いていますね」草野球友達に言われて「はて?」と考えた。草野球友達。いや、俺は、野球をやったことがない。たまに、応援に行くだけだ。草野球をやっている友達。いや、彼を友達と呼んでいいのだろうか。何度か一緒に酒を…

LIPS

深刻な話をする相手も、書く場所も、限られていて。もしくは、なくて。 だけれど、たった今、エレベータが閉まる寸前に交わされた彼との会話が。どこに向かうのか、それは、分からない。「20年後も、俺たちはこうして酒を飲んでいるだろうか?」 「飲んでま…

「朝も昼も夜も風が南へと」

第二週の月曜日、22時半すぎに、札幌の小料理屋で同級生と再会した。彼とは、中学校が一緒だった。卒業した後は一度も会っていないので20年振りとなる。 当時、話したことはほとんどない。彼がどんな人だったのか、全く覚えていない。名前も卒業アルバムをみ…

「あいつらの鼻歌が耳障りだ」

お酒を飲んだ日記を書いていたのだが、どうにもしっくりこない。KさんとKさんとOさん。KさんにFさん。Kさんが三人いる。試しに、イニシャルをやめてみた。彼らは何も言わないだろうが、これはこれでいかがなものかと思う。抵抗なく書くことができる人は限ら…

どうして格好いいのか、しばらく経って気がついた。

そうか、全ての字に月が入っているんだ。厳密には違うかもしれないけれど、でも。 カッコいいという印象が先にあり、理由は後からやってきた。◇北陸勤務のN氏のことを、同僚は親愛の情を込めてオジキと呼ぶ。なかなかもって、言い得て妙だなあと感心する。 …

七年ぶりに降ってきた。

台所がうるさくて目が覚めた。台所がうるさいと理解したのは、目が覚めてしばらく経ってからで、何の音だろう、こんな音が鳴る目覚まし時計は使っていないと思いながら、音のする方、台所に向かい、やがて理解した。2008年の八月に同じことが起きている。落…

「幸せな妄想を描いては打ち消して」

ギターのピックを、俺は二種類しか知らない。二本以上の指でつまむものと、親指にはめるものだ。 前者の場合、コード弾きにせよアルペジオにせよ、ピッキングによって弾くものだと思っていた。思い込んでいた。指で弾きたいなら後者を選ぶか、あるいは前者の…

ラ・ヨダソウ・スティアーナ

ずっと気になっていた場所があって、ようやく寄ることができた。 とても綺麗で、もう少し長くそこにいたかったけれど、実際にいたのは5分くらいだった。携帯電話で数枚、写真を撮った。しかし、撮らなかったものもある。これが恐れなのかと思った。自分の中…