「覚悟はいいか? オレはできてる」

かつて、友人がゲームのプロフィールに使用していたセリフは、ジョジョからの引用だった。ゲームの雰囲気に合った素敵な引用だった。

昨年の12月、社員旅行でイタリアに行ってきた。
ガイドについて、分からないことがあった。観光中、日本の旅行会社に所属する方がずっと付いてくれたのだが、彼女は立場的には通訳らしい。彼女とは別に、必ず現地の人が同行していた。街単位で入れ替わる彼らが、ガイドである。
しかし、彼らの中には自撮りにいそしむ人、いなくなる人、電話をする人もいて、あまり、仕事をしているようには見えなかったし、通訳の方は知識も豊富で一通りの説明が可能である。「どうしてここにいるんだろう?」という疑問があった。
何人かが同じことを不思議に思っていたらしい。
「マフィア絡みかな? みかじめ料をもらうために彼らはいるんだろうか」幹事に話すと「いやあ、でも、○○○(旅行会社)ですよ。そんなこと、ありえますかね」という返答。確かに。
我々の知識が足りないだけだった。通訳の方に直接訊いてみると「法律で決まっているんです」という回答。なるほど、マフィアは関係なかった。
たとえばの話、俺の友だちがイタリアに住んでいるとする。俺が友だちを訪ねて一緒に観光する。そのとき、友だちは「ガイドが行うような説明や案内をしてはならない」という法律があるらしい。罰金も。
保護法益は、自国民の労働だろうか? これは俺個人の推測である。

夜、一人でお酒を飲みに行く。屋根のある場所では煙草が吸えないという原則があるらしいが、俺が行ったバーも禁煙で、灰皿は店の外にあった。煙草を吸いに出ると、おそらくは10代後半から20代前半と思われる男の子に「煙草をくれないか?」とたかられた。イタリアの人だろうか? 英語だった。俺は少し考えて「きみは俺の友だちか?」と質問した。彼は調子よく「もちろんじゃないか」と答えたので、一本渡した。彼はすぐにいなくなった。
こんなことを書くとまた「嫌な考え方をしている」と思われるかもしれないが「どうでもいい適当な会話をひとつ消費したな」とそのとき俺は思った。

お土産に栓抜きを二つ買ったのだが、それはまた別の機会に。

そうだ、俺にとって大切なことがもう一つ。仮説の検証が終わった。

生活が元々不規則な我々は、時差ボケに対して強い耐性を持っている。ちょっと眠いときもあったけれど、いつも通りだった。