七年ぶりに降ってきた。

台所がうるさくて目が覚めた。台所がうるさいと理解したのは、目が覚めてしばらく経ってからで、何の音だろう、こんな音が鳴る目覚まし時計は使っていないと思いながら、音のする方、台所に向かい、やがて理解した。

2008年の八月に同じことが起きている。落下した換気扇が、コンロの上で荒ぶっていた。換気扇の羽根が食器を打ち付けている。コンセントが抜けていないのも、七年前と同じだった。違うのは換気扇が落ちた原因である。前回は、スイッチを入れるために紐を引っ張った結果、落ちてきた。今回は触っていない。俺は眠っていたのだから。おそらく、突風でも吹いたのだろう。

コンセントを抜き、とりあえずそのままに。いつ降ってきたのか、いつ直したのか、実はよく覚えていない。

今の部屋に住み始めて七年か。そんなことを今思っている。何ヶ所か壁紙はひび割れ、ユニットバスの扉は壊れ、誰かを招待する状況ではない。そういえば、ベッドも壊れている。順番に一つずつ。まずはベッドか。夏が終わるまでに。