cssなんてエフェクタみたいなものでしょう?

北陸の、暗い道を歩く。見上げても星空はない。曇っていたし木々に覆われていたから。もやもやした考えがなくなるほどその道は暗く、生きている、知らない人が出てきたら嫌だなと思いながら歩く。その日、会社で働いているのは俺だけで、俺は客先からの帰り道、事務所に向かわずに海を目指した。結論からいうと、海にはたどり着けなかった。もうすぐ海だったと思うのだけど、仕事が残っていたので引き返したからだ。歩きながら聞こえたざわめきは潮騒ではなく、葉の揺れる音だった。海には、行けなかった。

ツタヤでCDを借りる。

毛皮のマリーズ / ティン・パン・アレイ
Foo Fighters / One By One
THE TIMERS / THE TIMERS
Linkin Park / Hybrid Theory
Pink Floyd / The Piper At The Gates Of Dawn
Cloudberry Jam / Cloudberry Jam

ロックとは何だろうと友達に問いかけたことがある。友達は「ポップスじゃね?」と答えた。だから、ポップスの雰囲気が漂うCDを選んだ。限りなくジャケット判断に近い。ほとんどが名前だけ知っているバンドで、誰がどのような歌をどのように演奏するのか分からないまま借りた。実は、他にもつのだ☆ひろSKID ROWを初めて借りてみたのだけれど、まるで音が入ってこなかった。たぶん、タイミングが悪かったのだと思う。

それぞれの感想は、ここには書かないが、最も苛立っているバンドは毛皮のマリーズであるように感じられた。根拠はないが、この人、あるいはこの人たちは、きっと原宿を憎んでいる。
友達は、かつて某県のライヴハウスいいちこを飲みながら演奏したらしい。みたことがなくても、そこにいなくても想像することができる。けれど、彼のシルエットを定義してはならない。その時点で、きっと彼の本意からはずれたものになってしまう。彼は、定義されたくてそこにいたわけではない。しかし、定義されたくてそこにいたわけではないという表現もあるいは不適切である。定義されたくてそこにいたわけではないと定義している恐れがある。
ロックとは何かと考えたときに、それは詞や曲によっては定まらないという考えが浮かんだ。万人が認めるロックバンドの歌を演奏したところで、演奏した人(達)がロックじゃなければ、それはロックではない。もっといえば、ロックと呼んだ時点でロックじゃなくなる歌や人(達)も数多くいるのではないか。
俺は×××××はロックであると思っているが、思い返せば、彼らの音楽をロックだと呼んだり説明したり伝えたことは一度もない。ただ、好きなバンドである、そう話すことはあっても。そういえば、俺はロックンロールのnの意味に興味を持てない。

あるとき、俺は友達に「どう思う?」と意見を聞いた。友達は、少し考えて、言葉を探して、そしてきっと見つからなくて「ロックじゃない」といった。うまくいえないが、そういうことだと思う。