元気か?

22日の朝の9時、地震現場海域で救助にあたる友達からメールが届いた。何年前だろうか、彼が海上自衛隊に入ると聞いたときは本当に驚いた。彼は俺が驚いている間に髪を剃り、札幌を離れ、訓練を始めた。別れる前に剃った頭をぺたぺた触った。その後、彼は認識票を首に掛けて戻ってきた。借りて噛んだら歯形がついた。いまもついたままなのか、聞けていない。
彼からのメールは8行、そのなかには絵文字が3つふくまれていた。地震があった5時間後には救助を開始したこと、何百人もの人を助けたこと、一度戻ることなどが書かれていた。
件名は「元気か?」だった。
出張先に向かいながら6行のメールを返した。きっとそうだと思っていたこと、友達も無事でよかったと感じたこと、部屋のコーヒーメーカーが落ちたこと、それとコーヒーメーカーが壊れていないことを書いた。件名は「元気。」にした。そして、友達からメールが届いたことを好きなひとに伝えた。まずなによりも届いたメールが嬉しくて、そのことを好きなひとに伝えたかったからだけれども、縁のようなものを勝手に感じたためでもあった。
すこし前に、好きな人はキングと呼ばれる人と関わったわけだが、自衛隊で働く彼も、かつては俺たちからキングと呼ばれていたのだ。俺にしか分からないキングつながりである。

24日の午前7時に、友達からのメールを思い出した。

俺のことを話したら、彼はきっと呆れると思って。本当にそう思って。それで、思い出した。