秋雷

するべきことをせずに、日曜と月曜あわせて二十時間以上眠った。
午前四時くらいだろうか、強い雨が窓を打つ。さすがに、もう眠れないか。

起こさないように、タイミングを見計らっていた。

そのとき、なんというか、音がなくなった。真空と形容してよいのだろうか。そんなはずはない。ここが真空になるはずがない。

直後、雷が轟いた。隣に落ちたような錯覚を覚えた。そして、雨が強くなった。少し、お酒を飲もう。そうすれば、まだ眠れるかもしれない。好きな人が起きたら雷のことを話そう。お酒を飲んだことを話そう。彼女が大切にしているお菓子を食べたことを話そう。

「雷がね、落ちたんだ」
「私の?」
「ちがう」